onothunder’s diary

ゲームの感想ブログです。括弧内はレビューを書いた年月日です。ないものに関しては現在書いた記事です。

『がんばれゴエモン~来るなら恋! 綾繁一家の黒い影~』は駄作なのか(2021年5月4日)

がんばれゴエモンシリーズ屈指の駄作と名高いこのゲームだが、本当に駄作なのか考えてみた。とにかく作りが粗いのは確かだ。まずグラフィックからして汚い。新しいものを取り入れようとしているのは見受けられるが、作り込まれていない。やはり駄作ではあるだろう。

では、いい点はないのかと聞かれたら、自分はこう答える。「方向音痴矯正ゲームとして優秀」と。ゲームにおいて、来た道を戻るってことはあんまりない。ないわけじゃないけど少ない。クリアしたら次のステージに進んだり、ワールドマップに戻ったりする。このゲームはラストステージ以外は全部来た道を戻った気がする。

インターネットのレビューでは、同じ道を戻るのはだるいという意見が多かった。でも、実は行きと帰りって同じではない。向きが逆になるから。曲がるのも逆になる。行きでは最初らへんの通過点が、帰りだと最後らへんになる。登りと下りも逆になる。道自体は同じだけど感覚的には全然違う。だから、このゲームの帰り道でけっこう迷った。

ゲームでは端折られることが多いけど、現実では必ず帰り道が存在する。だから、帰り道の存在するこのゲームは現実の参考になりうる。行きと帰りの感覚の差異で迷うってケースは多いと思うし。

このゲームは、行きでは存在していなかった重要アイテムが帰りに発現する。帰り道がだるいって意見を見越して、退屈しないように用意したのだろう。そうまでして帰り道を端折らなかったのは、製作者が行きと帰りの感覚の差異に面白味を見出したからではないか。

実際、来た道を戻るのが面白いかとなると面白くはないような気もするが、「よし、迷わずがんばるぞ」ってな感じでプレイしてみたら、けっこう楽しめるかもしれない。