onothunder’s diary

ゲームの感想ブログです。括弧内はレビューを書いた年月日です。ないものに関しては現在書いた記事です。

対戦ゲームの仕込みについて

ここ2年くらいストリートファイターⅡをプレイしている。きっかけは、YouTubeストリートファイターVのプロがプレイしているのを見て、格闘ゲームも面白そうだと思って。なぜ最新作のVをプレイしないのかと指摘されそうだけど、複雑そうだったのでⅡでいいやとなった。

ストⅡは、必殺技も少ないし、昔だから評価されたゲームであって、今やっても面白くないのではないかと低く見られている気がする。自分も半信半疑でプレイを開始したけど、それは誤りで、やればやるほど奥深さに気づくようになった。ガイルしか使っていないから、ストⅡというよりかは、ガイルの奥深さといったほうがいいかもしれない。

ガイルの必殺技は2種類あって、両方溜め技。下で溜めて上と同時にキックでサマーソルトキック、後ろ溜め前と同時にパンチでソニックブーム。この溜めが、実はあらゆる状況で開始できるというのが、このゲームの仕込みのひとつ。

製作者が意図して入れたマニュアルに載っていないテクニックのことを、自分は勝手に仕込みと呼んでいる。

溜めの話に戻すと、以前の自分は、何も行動をしていない状態じゃないと溜めは開始できないと思っていた。それだと溜めるだけのための、攻撃もできない不毛な時間が発生することになる。また、相手からしても溜めてるなってのが分かりやすい。

それに対して、あらゆる状況で溜めが開始できるということを知っていたらどうなるか。あらゆる状況の具体例を示すと、ジャンプ中や、転倒中、攻撃中など。ジャンプ中に溜めを開始したら着地してすぐに必殺技を出せるし、転倒中だと起き上がってすぐに出せる。攻撃中だと攻撃が終わった際にコンボとして必殺技に繋げることができる。他の行動をしている間にこっそり溜められるから無駄がない。相手からしても溜めているのが分かりにくいから、不意打ち気味に必殺技が飛んでくることになる。何もできないはずの転倒中にすら意味が生まれる。

仕込みによって、奥深い戦いができるようになっている。反面、マイナスなこともある。

対戦において、知っている人と知らない人の間で格差が生まれる。

知っている人が知らない人に教えればいいだけの気もするが、秘匿する人もいるだろうし、伝聞という形だと全員には伝わらないだろう。

知らない人がいるのはフェアじゃないなってのは、64のスマッシュブラザーズをプレイした当時に感じたこと。ルールも細かく設定できて皆が楽しめる作りにも関わらず、ガチゲーの特徴みたいな仕込みの多さに違和感があった。自分なりに思ったのは、格差が大きく生まれる仕込みは、マニュアルに明示したほうがいいのではってこと。初代スマブラだとCボタンを軽く押したら出るショートジャンプはマニュアルに書いていてもよかった。3Dスティックでジャンプする人には一生たどり着けない。

インターネットが普及した今では、知らないってことは起こりえないのではと疑問を抱かれるかもしれないが、そんなこともない。

仕込みはひとつではないから。多いと、把握するのが困難。また、製作者が意図していないテクニックだってあるだろうし、混沌としすぎる。今の対戦ゲームは、ひとつのゲームをアップデートして長く遊ぶ作りだから、後追いでのプレイが特に大変だろう。

仕込みに対しての自分なりの考えをまとめると、格差が大きく生まれる部分はマニュアルに明示したほうがいいってのと、把握するのが困難だから多ければいいってものではないってこと。

仕込みはなくしたらなくしたで、発見がなくて、それはそれで味気ないかもしれない。

対戦ゲームをやると、必ずある仕込みについて、(隠れてはいるけど)注目してみると面白いかもしれない。製作者のセンスが垣間見える部分だから。