onothunder’s diary

ゲームの感想ブログです。括弧内はレビューを書いた年月日です。ないものに関しては現在書いた記事です。

リアルサウンド〜風のリグレット〜(2018年10月18日)

セガサターンドリームキャストで発売された、ノベルゲームを音声化したようなソフト。ノベルゲームは、小説に選択肢を加えたものとすると、今作はラジオドラマに選択肢を加えたような感じ。

このゲームは、視覚障害を持った方と持っていない方でコミュニケーションが生まれ、また同じ感想を持つ、そんなゲームが作ってみたいというコンセプトから生まれたとか。

シナリオについては触れずに、システムについてだけ話そう。声優の独白やら会話で話は進んでゆき、選択肢が出る場面は鐘の音が鳴って知らせてくれる。選択肢は十字キーの左と右と上に割り当てられている。それぞれ押してみたら読み上げてくれる。本決まりの場合は、十字キープラス決定ボタンを押す。このゲームは全部、主人公のセリフを選択する形になっている。ノベルゲームだと行動を選択するということもできるけど、行動は音声化できないからね。作り辛さはあっただろう。

このシステムの良いところは、目をつぶって寝転がってプレイできる点。ついつい寝てしまうのが難点。寝ても次の選択肢で止まるし、オートセーブだけど再開したら少し巻き戻るから、聞き逃したらリセットを押そう。聞き逃した場合、他に遡る手段がないってのは残念だが。バックログとかの遡る手段って、目が見えないと使いにくいから、これまた難しいところだっただろう。

他に良いところは、声優の演技が無駄にならない点。ノベルゲームでもフルボイスというのはあるけど、メッセージを送ると省略されてしまう。このゲームはそれがない。裏を返せば自分のペースで進めることができないともいえるが。

あとは、雰囲気の良さが好きだった。音声だけだからこそだろう。菅野美穂が声優を務めているが、それも英断と思う。

菅野美穂を抜擢したことについて書いたブログがあったので、併せて読んでもらいたい。このゲームの製作者であるエノとかいう方が書かれている。

https://fyto.com/eno/archives/2008_03_post_328.html

音声だけで場面転換を表現するのに苦労したとか興味深いことがいっぱい書かれてある。そういえば、音声だけでどうやって場面転換したのだろう。意識していなかった。そうなると、またプレイしてみたくなる。やはり製作者じゃないと分からないようなことはいっぱいある。

自分は馬鹿だからなかなか気づかなかったが、この記事を書かれていたのは、エノって人ではなかったらしい。enoと書いてイーノと読む。このゲームのプロデューサーである飯野賢治氏のブログだったのだ。ずっと気になっていたけど、彼が手がけたゲームをプレイするのは初めてだ。遅くなったけど。

文章を読んで、健常者の傲慢さを包み隠さず出してあるところに魅力を感じた。