ゲームにおけるシリーズ物について
ちょっと前まで筒井康隆さんの小説を読んでいた。新刊のやつ。珍しくシリーズ物も収録されていた。ショート・ショートくらいの長さで5話分だからそんなに長くはないんだけど。学生時代、筒井さんの七瀬シリーズを夢中になって読んだ人間なので、ちょっとしたシリーズ物でも嬉しかった。シリーズ物を基本書かない作家で、エッセイの中でもその理由を語っていた気もするが、忘れた。ファンとしては読んでみたい気持ちもあるが。
シリーズ物の良さは、長い付き合いになるからキャラクターに愛着持てるってところが大きい。キャラクターの魅力をどんどん出していけるだけの時間がある。シナリオに関しても、長いからこそ表現できるものもあるだろう。
悪い点としては、長期に渡るから話がぐだりやすいところ。
昔、自分がはまっていたシリーズ物の小説があって、その時は続刊中で、結末がまだ出ていなかった。物語の過程はすごく面白くて、結末が残念になったとしても過程が面白ければありだよなって思っていた。ただ、いざ完結してみると、結末は大事だなと考えを改めた。着地に失敗すると今まで面白かったものも全部色褪せてしまう。
というわけで、シリーズ物は着地を決めるのが難しいという問題点もある。ただ、着地が決まったらその破壊力も相当なものだが。
ゲームにおいてのシリーズ物はどうかと考えると、小説以上に作るのが難しくて、現実味がなさそうだ。シリーズ物はあっても、作品間でシナリオは独立していることが多い。
ゲームだと開発期間も長いから、続き物であったとして、話を忘れるしね。続編が出るごとに、ユーザーも脱落していきそうだし、新規も取り込みにくそう。開発する側も難しいだろうし。
ドリームキャスト時代は、そういうゲームもいくつかあったみたいだが。シェンムーからしてそんな感じだった。全11章構成の予定だったとか。エルドラドゲートってのもプレイしたことはないけど、全7巻ってことで話は繋がっているのかな。
ゲームで話が地続きのシリーズ物を作るには、障壁が多そうだけど、面白い試みではあるな。
とりあえず、自分に一番身近なのは2までプレイしているシェンムーなので、重い腰を上げて3をプレイしてみよう。